また、暗い部屋で

 またもやこの暗い部屋に来てしまったキリモミ君は、さっきから心の中で大きなため息を何度もついていた。
『そうだよ、僕はちっとも面白くないこの部屋に二度と来たくなかったからこそ、賢くなろうとして学校に行ったのに・・・。もうあんな学校なんて所には行きたくないね。』
そう心の中でつぶやきながらもキリモミ君にとってはこの訳の分からない暗い部屋のほうがずっとずっと嫌だった。
とにかくこの暗い部屋では自分のしたいと思うことが何も出来なかったから、キリモミ君にはただじっと待つしかないのだった。
 遠くから誰かの話し声が微かに聞こえて来る。その声はまるで独り言のように、誰に話すという訳でもなく途切れ途切れに聞こえてきた。
「・・・誰のため?・・・もちろん自分のためだ、分かりきったことじゃないか・・・。」
その声もだんだん小さくなって聞こえなくなると、やがてキリモミ君の目の前に大きな暗闇が湧き上がって来て・・・声を上げることも出来ず、キリモミ君はその中に飲み込まれてしまったのだ。



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